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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

渡辺 篤/アイムヒア プロジェクト 「同じ月を見た日」

廃線になった東横線横浜ー桜木町間の高架下に大きな月が現れた。直径3メートルほどの円形ボードに月の画像を映し出す作品で、日が暮れると三日月から満月まで少しずつ月が満ち欠けしていく様子が見られる。作者は、ひきこもりをモチーフにしたプロジェクトで知られる渡辺篤。この作品はコロナ禍で孤立を余儀なくされている人たちに呼びかけ、世界中から月の画像を集めてつないだもの。月を選んだのは、コロナ(太陽)に対抗しうるものだからであり、また、地球上のだれでも同じ姿を見ることができる(撮影できる)からだろう。逆にいえば、世界のどこでも成立しうる普遍性を備えた作品であるということだ。道路を挟んだ向かい側から見ると、まるで球体にしか見えない。これは見事。

21/3/11(木)

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