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水先案内人のおすすめ

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木谷 節子

アートライター

川瀬巴水 旅と郷愁の風景

今年は吉田博の展覧会が人気を博すなど、絵師、彫師、摺師の分業による「新版画」展が相次いで開催されているが、その第一人者が川瀬巴水。 本展の特徴は、『旅みやげ』『東京十二景』『東海道風景選集』といった彼の有名なシリーズを、連作ごとにまとめて見せていることだ。それらを時系列で追いながら、彼とともに「新版画」を盛り上げた版元・渡邊庄三郎との絆なども知ることができる、非常に実り多い展覧会だった。 もちろん、あれこれ考えず、とにかく日本各地の美しい風景にどっぷり浸りたい、という人にもおススメだ。「昭和の広重」と言われた巴水の詩情豊かな風景版画は、どこか懐かしく、古き良き日本の原風景をすくい上げたという印象があるが、実は築地本願寺や芝増上寺など、現在と比べて全く変っていないなど、かえって嬉しい発見も。 自由に旅行することもままならない昨今、清新で優しい巴水の旅情が身に染みる。

21/10/19(火)

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