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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
また、あなたとブッククラブで
20/12/18(金)
ヒューマントラストシネマ有楽町
このコーナーを担当するようになり、大小さまざまな海外映画を観るようになった。 そこで驚かされるのは、かつてスターだった俳優たちが年齢を経てもなお、輝きを放つような役柄を演じていることだ。 高齢になったら“老人”の役ばかり。ステレオタイプ気味に老境を演じるしか選択肢はない日本とは大違いだ。 この映画は、ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲンという3人のベテランたちが、それぞれに新たな恋にときめく姿を演じている。しかも、これだけの面々が集まっているのに、深刻で重々しい“名演技合戦”とはせず、みんな軽妙でナチュラル。そのことが、目の前にある恋を楽しむ“現役”感を醸し出し、恋は何歳になっても刺激的なものだということを伝えてくる。 こうして輝くベテランの姿、日本映画でも観てみたい。
20/12/14(月)