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パール兄弟、作詞家、プロデューサーとして、音楽を中心に活動中

サエキけんぞう

ミュージシャン

印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション

印象派というと、コンサバティブな印象を持つ若者も多いと思う。正攻法にゴージャスな絵で来られると引いてしまう輩もいるかもしれない。そんな人にオススメなのが、印象派のひと味違う魅力をコレクションしたこの展覧会。 船舶売買で財を成し、英国北部のさむ~い海港都市グラスゴーで「海運王」として財を成したウィリアム・バレルの買い集めた絵だけに、方向性がなかなかにシックなのだ。 セザンヌ「エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰」「倒れた果物かご」も色が抑えめの作品だし、アンリ・ル・シダネルの「雪」「月明かりの入り江」にいたっては「これがフランスの画家?」と思えるような寒色が冴えた傑作である。 山下達郎の「ターナーの汽罐車」に影響され「ターナーが好き!」というような音楽好きの若者も多いのではないか?と思われる。音楽ファンは結構シブめの絵が好きだったりするのだ。そんな人達には「印象派の印象」を一片させる良い機会になること請け合いである。 エドガー・ドガの名作《リハーサル》をはじめ、出品作80点のうち76点が日本初公開ということ。改めて、重厚な本物の油絵の筆致にため息を引き出す展覧会となっている。

19/5/31(金)

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