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恩田 泰子
映画記者(読売新聞)
オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡
20/6/26(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷
若く美しいロシアの新体操選手マルガリータ・マムーンが、2016年リオデジャネイロ五輪で頂点に立つまでの特訓の日々を追ったドキュメンタリーなのだが、いや、すごい。「さながら、デイミアン・チャゼル監督の出世作『セッション』」という触れ込みを聞いてはいたが、指導する者とされる者の間に走る緊張感は想像以上。雌ライオンのごとき容貌の指導者はひたすらマムーンを罵倒する。そのすさまじさと言ったら! 後にマムーンが金メダルに輝くことがわかっていなかったら、恐ろしくて見続けられなかったかもしれない。 監督はポーランドの女性監督マルタ・プルス。練習の日々にこれだけ密着できたのもすごいが、すべてを、登場人物の言葉ではなく、事実に語らせるつくりも潔い。
20/6/22(月)