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水先案内人のおすすめ

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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

狼をさがして

1974年8月30日、"東アジア反日武装戦線・狼"による三菱重工本社ビル爆破事件は衝撃的だったが、あれから半世紀弱を経て、なぜ韓国映画として作られたのかが、咄嗟には分からなかった。映画を観れば、その疑問は氷解する。日帝の植民地時代、三菱重工をはじめとする大企業は、韓国の炭鉱などにおける労働強制動員などで、その基盤を築いた。8名の死者と、約380名の負傷者を出した、この事件で"狼"は何を訴え、何を変えようとしたのか。歴史を遡り、日本帝国主義の闇を掘りおこす作業の中に、この映画の意義はある。長い歳月の間に、獄死した者あり、服役中の者あり、日本赤軍に合流し、国際手配中の者あり、出所した者あり、そして現在逃亡中の者もいる。キム・ミレ監督は、爆弾闘争の当事者や関係者に取材を重ね、闇に秘められた事件の本当の意味を探ろうとしている。

21/3/15(月)

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