観劇の際にいただいた分厚いチラシ束を、家に帰ってからゆっくりと拝見する。それは私にとって割といつもの時間ではあるのだが、そんなある日、ふと目に止まったチラシ。そこにはムロツヨシが一人。「muro式？」と見紛うほどの表面をざっくりと眺めながら裏面に目をやると、 「うわっ、なんだこのキャスティングは。」 もう一度表面に目をやる。確かにムロツヨシしかいない。あっ、左上に割と小さめの文字で出演者のラインナップが。一番上がムロツヨシ。そして。 堤真一、吉田羊、賀来賢人。 シーズンオフに新聞を賑わす、どこかの球団のような重量打線。4番打者大集合。 さらに、浅野和之、高橋克実、春海四方が脇を固める贅沢な布陣に、池谷のぶえ、野間口徹を始めとする曲者たちが名を連ね、さらにさらに、昨年末に乃木坂46を卒業したばかりの若月佑美を配する鉄壁のラインナップ。 この打線の中で、ムロツヨシが渾身の4番のバットを握る。無論、枚挙に暇がないほどの活躍を見せる今の彼にとって、役不足であろうはずがない。堂々たる4番。ムロツヨシらしい、切れ味鋭い、思い切りの良いスイングが見たい。 そして、ベンチで采配を振るうのは、ムロツヨシと言えばこの人。上演台本・演出：福田雄一。 ＜＜＜＞＞＞ 盟友ムロツヨシとともに『勇者ヨシヒコ』シリーズや『今日から俺は!!』を始めとする数々のコメディ作品を生み出してきた福田雄一が、18世紀イタリアの喜劇作家カルロ・ゴルドーニの原作『Il servitore di due padroni』をもとに世に送り出す『恋のヴェネチア狂騒曲』。 もともと最初に舞台化が発表された時には『2人の主人に仕えた男（仮題）』であったから、タイトルも大きく変えてきたように、原作を福田流に膨らませ、この充実した役者陣とともに、名作喜劇をどれだけブラッシュアップさせてくるのか、楽しみでならない。

19/7/5(金)