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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

チャンシルさんには福が多いね

邦題タイトルだけで見る者を幸せにしてくれそうだな、と思わせる映画がある。例えば古くはフランク・キャプラの『ポケット一杯の幸福』、アキ・カウリスマキの『希望のかなた』……。直近では本年最初に公開される韓国映画『チャンシルさんには福が多いね』がその典型。口ずさむだけで福々感、ほのぼの感が漂ってきてぜひ観たいと思わせる。 人生の全てを映画に捧げてきたプロデューサーのチャンシルさん(カン・マルグム)、ずっと支えてきた映画監督が急死したため失業してしまう。既にアラフォーの彼女は家も恋人も子どももなく、青春さえも棒に振ってきたことに気づく。そんな彼女に、思わぬ恋の予感が……。チャンシルさんに訪れた恋の行方を描くオフビートなラブコメディだ。 長年にわたりホン・サンス監督作のプロデューサーを務めてきたキム・チョヒの長編デビュー作。キム監督自身の体験を投影して製作されているとのこと。第24回釜山国際映画祭で3冠(韓国映画監督組合賞、CGVアートハウス賞、KBS独立映画賞)を達成し、“韓国のゴールデングローブ賞”と称される百想芸術大賞の映画部門女性新人演技賞(カン・マルグム)を獲得。日本では昨年の大阪アジアン映画祭、あいち国際女性映画祭で観客に〈福〉をおすそ分けしている。 コロナ禍なんかに負けていられるか、と思わせてくれる韓国映画の〈お福分け〉映画だ。

21/1/3(日)

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