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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

作兵衛さんと日本を掘る

2011年にユネスコ世界記憶遺産に日本で初めて登録された山本作兵衛の記録画。登録当時には作兵衛とは何者なのかと話題になったが、マスコミに流れた彼の記録画の素人っぽい絵柄に惹きつけられたことを鮮明に覚えている。そんな作兵衛さんの生涯を描いたドキュメンタリーだ。1892年生まれの作兵衛さんは、14歳から筑豊炭田で働き、60歳代半ばから独学で炭坑労働を記録する絵を描き始めた。そんな作兵衛さん個人の生きざまとともに、元炭坑夫たちの証言などから炭坑での過酷な労働や働く人々への差別などの歴史がわかりやすく描かれる。しかも時代が石炭から石油へのエネルギー転換期に重なることから、記録画の世界と昭和の歴史が重層的に浮き彫りにされて興味深い。

19/5/22(水)

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