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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

カセットテープ・ダイアリーズ

カセットテープの存在そのものが、もはや忘れられようとしている現在、この題名を聞いただけで胸が熱くなる。1987年、イギリスの小さな町ルートンで、パキスタン系移民の少年ジャベドが、ブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受け、成長していく青春ドラマは、時を越え、国境を越えて、共感させられてしまう。現在まで続く移民排斥運動の中で、ジャベドは周囲からの人種差別や、保守的な親への反発を感じながら、自分の本当のことばを見つけられずに模索する。そうしたモヤモヤを全てぶっ飛ばしてくれ、行動への起爆剤になるのが、ブルース・スプリングスティーンの音楽だ。映画化に際しては、スプリングスティーン自身の協力で、おなじみの名曲もふんだんに使用され、未発表曲も登場。『ベッカムに恋して』のグリンダ・チャーダ監督のブルースへの愛が満載だ。

20/7/2(木)

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