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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

たゆたえども沈まず

東日本大震災から10年。震災直後には、次から次へと関連作が作られ、送り出されたが、殆どの作品は時の流れの中に呑み込まれてしまった。地元局の岩手テレビは、〈道路が一瞬にして海に変わる〉被災直後の映像を捉え、釜石、宮古、大船渡、陸前高田の各地で震災に巻き込まれた人々の表情を丹念に追う。陸前高田では、本作のプロデューサー晴山氏がレポートする姿も見える。そして10年、亡くなった人、成長した人、変わらず元気な人たちの姿を丁寧に追い、定点観測の重要さを思い知らされる。三陸鉄道をめぐるエピソードの数々には胸が熱くなると同時に〈この10年は、どんな10年だったのか〉と問いかけられる。一過性ではなく、地域に密着した報道人の矜持が、ここにはある。個人的には、釜石の宝来館や大槌町のチャリカフェには、ぜひ一度行ってみたい。

21/5/27(木)

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