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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

フェデリコという不思議な存在

8月14日(金)〜アップリンク渋谷にて上映 名優マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演の戦時下での男女の出会いを描いた『特別な一日』(77)、パリ下町のダンスホールを舞台に第二次大戦前より現代に至る時代の移り変わりを描いた『ル・バル』(83)など、忘れ難いイタリア映画の名作を産み出したエットレ・スコーラ監督の遺作になった『フェデリコという不思議な存在』。 本作はスコーラ監督が亡くなる3年前の2013年に作られた、盟友フェデリコ・フェリーニをモチーフにしたドキュメンタリー作品ということになる。 恥ずかしながら本作で、スコーラがフェリーニと風刺雑誌『マルカウレリオ』編集部で一緒に働いていた同僚だったと、教えられる。今年はフェリーニ生誕100周年のメモリアルイヤー、ふたりの偉大なイタリア人監督を偲んでの鑑賞もいいのではないか。 本作は、一応ドキュメンタリーの手法は取っていて前半は脚本家として頭角を現していくフェリーニを描いた再現ドラマ、後半は監督作品の製作の裏話を中心にした二部構成のスタイルをとっている。『カサノバ』のオーディション風景やフェリーニの葬儀の映像で、1939年からフェリーニが亡くなる1993年までのエピソードを綴っていく。 フェリーニのホームグランドだったチネチッタ撮影所はこんなんふうだったのか…と興味と感慨がつきない。 再現ドラマ・パートで若き日のフェリーニを演じるのはトンマーゾ・ラゾッティ。さらに、老年期のフェリーニ役でマウリツィオ・デ・サンテス。 イタリア映画がもっとも豊かで活気に溢れていた時代が、スクリーンから伝わってくる異色のドキュメンタリー映画だ。 amazon、Rakuten TV、TSUTAYA TV、YouTube、Google Play、ビデオマーケット、U-NEXT でオンライン配信中

20/8/12(水)

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