白井貴子は1981年にデビューして、その後、バンド“The Crazy Boys”を率いてライブ活動を展開。武道館や西武球場のステージに立った。86年に活動を一度停止して渡英。帰国して、90年にソロとして活動を再開。当初はポップな歌を歌っていたが、95年頃からよりアコースティック色の濃い音楽を追求するようになった。 一方でテレビのレポーターを務めたり、夫であるThe Crazy Boysのギタリスト本田清巳といろいろな場所でライブを経験。さまざまな音楽に挑戦したことで、ボーカリストとして自然な成長を果たし、やがて2006年、白井貴子 & The Crazy Boysでの活動を再開したのだった。また2013年には精神科医で作詞家のきたやまおさむから、「僕の歌を歌い継ぐ歌姫」に抜擢されたことも記憶に新しい。 今回の『祝 デビュー38周年！ 60Years A GoGo！ 還暦大感謝祭ライブ』は、文字通り白井が還暦を迎えたことを記念するライブだ。ギターの本田や南明朗、キーボードの片山敦夫や、ドラム河村“カースケ”智康の息子の吉宏とのライブは、白井にとってこの上ない楽しみだろう。 ただし、単なる懐かしさ優先のファミリー・ライブではなく、お互いの今を確認するガチのセッションになるに違いない。バンドブームの起こる前の日本の音楽シーンは、ある意味、女性アーティストに対する偏見に満ちた暗黒時代だったが、それを潜り抜けてきた白井のパフォーマンスは同世代や若い世代に大きな刺激となるだろう。

19/9/15(日)