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水先案内人のおすすめ

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話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

グッド・ワイフ

1982年、メキシコ経済に深刻な打撃を与えた債務危機前後の物語。主人公ソフィアのきらびやかな誕生パーティーの情景から映画は始まる。実業家の夫、3人の子どもと優雅に暮らす彼女は、上流階級の奥様ネットワークの中心人物。女王のようにふるまってきたが夫の事業の雲行きが怪しくなり「世界」は揺らいでいく。新進気鋭の女性監督、アレハンドラ・マルケス・アベヤが冷静に描き出すのは「上流」の生態。女王としての権勢を保とうとするソフィアが次第に色を失っていく様子を、残酷なほど端正に映し出す。趣味の良い奥様のように装っていても、一皮むけば誰もが、甘い砂糖があるところに群がるアリのよう。ソフィアの世界は、現実世界の縮図のようでもある。

20/7/9(木)

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