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Tak

美術ブロガー

【特別展】 東山魁夷と四季の日本画

日本画は世界中のどの絵画より「季節」を多く表現しています。勿論それには四季の存在があったことがひとつの理由ですが、それだけなく積極的に季節の変化を好意的、前向きに捉え日々の暮らしに潤いを与えんとする気持ちがあったことが大きな要因となっています。4つの季節だけでは飽き足らず、「二十四節気七十二候」と気象の動きや動植物の変化を敏感に察知しそれを暦としていた日本人。季節を表す作品が多いのも当然といえましょう。 今回は東山魁夷が1968年に京都の四季を描いた連作「京洛四季」(《春静》、《緑潤う》、《秋彩》、《年暮る》) 4点がまとめて展示されています。桜の時季に《春静》、これから寒くなると《年暮る》と、それぞれ単体で拝見する機会はそれなりにありましたが、連作をこうしてまとめて観られると感慨深いものがあります。特に今年は四季の変化も忘れるほど新型コロナウィルスに振り回された一年でしたので、余計に胸にしみます。(山種美術館自体もコロナの影響で収益が激減しクラウドファンディングで支援を求める事態にまで至りました。) 展示は東山魁夷作品を軸にしつつ、日本画の最大のテーマである四季の表現を、優品で巡る展示内容となっています。四季の花木と満月を組み合わせた4枚から成る菱田春草「月四題」は中でも必見の作品でしょう。モノトーンかと思えるほど極端に色を抑え描かれており、webや図版でなく実物を間近で見ないとその良さが分からない日本画特有の繊細な表現が光ります。他にも「ウォーターフォール」の画家のイメージがすっかり定着している千住博氏が東山魁夷へのオマージュ的な作品として描いた「四季」1989年も表装を含めて見ごたえがあります。

20/12/25(金)

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