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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
囚われた国家
20/4/3(金)
イオンシネマ板橋
息が抜けない、スリリングな作品だ。 舞台は、異星人が世界を制圧した近未来のシカゴ。資源は徹底的に略奪され、都市は荒廃していた。が、凄まじい監視社会の形成とメディアコントロールにより、大半の人々は異星人に唯々諾々と従っていた。 本作は、そんな状況を地下から打破しようとするレジスタンスたちの闘いが描かれる。 面白いのが、彼らの連絡手段だ。全く隙のない監視体制の中で、いかにテロ計画を進めるのか。 それは伝書鳩、ラジオDJ、新聞広告……とアナログなツール。これらを巧妙に駆使して連絡を取り合う様がユニークだ。 画面は終始、ザラついて薄暗い。その醸し出す寒々しさが、人々を覆う空気の重苦しさを生々しく伝えてくる。
20/3/31(火)