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Tak

美術ブロガー

【2月27日で閉幕】ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター

1950年代からNYの第一線で活躍してきた写真家・ソール・ライター(Saul Leiter  1923-2013)の2度目となる写真展。ファッションフォトグラファーとして評判だったソール・ライターですが、次第に作られた世界を撮影するのを疎ましく思うようになり、自分の好きな写真を撮るために地位も名誉も捨ててしまいます。その後は、NYイーストヴィレッジに現在でも残る住居兼アトリエのアパートの窓から行き交う人を撮影したり、妹デボラや生涯のパートナーであったソームズの親密な写真を撮り続けました。誰にも見せるつもりのない写真を何十年にも渡り撮影したのです。ソール・ライターは誰かに認めてもらおうとか、写真展を開催しようといった欲は全く持ち合わせていない人でした。それどころか、人に見てもらおうとも思わずただひたすら自分の為だけに写真を撮り続けたのです。今は誰でもスマホで気軽に写真を撮る時代ですが、それらは「誰かに見てもらう」ことを念頭に置いて撮っているものがほとんどです。つまり「映え」を狙っている写真です。SNS映えする写真こそが写真だと信じてやまない今の我々からすると、ソール・ライターが撮った写真はとても新鮮で真新しい印象を強く与えます。それは私たちが考えている写真とはまるで別のものなのです。未整理の写真がカラー作品だけでも8万点もまだアパートには残されています。今回のタイトル「永遠のソール・ライター」展の意味するところは明確です。そう、「ソール・ライター展」は始まったばかりなのです。 「どちらかというと、写真は観る人に対して迫ってくるイメージのものが多いと思います。しかし彼の場合は、アートの中心地・ニューヨークにいながら、一定の距離を置いて人や風景を眺めつつ撮ったことで、いろいろなストーリーが見えてくるのです。」 ソール・ライター展プロデューサー佐藤正子

20/2/10(月)

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