昨年11月、『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』がヒットして話題になった。その配給プロデューサーの江戸木純は、｢関係者も驚く大入りはもちろん、ベルモンドを知る世代の〈待っていました!〉という熱気だけではなく、ベルモンドを知らなかった世代の驚きの反応も凄く、何よりも劇場が滅多にない映画的幸福感で充満していたのが嬉しかった｣ (キネマ旬報5月上・下旬合併号『極私的ベルモンド偏愛録』) と語る。 今回はそこに集まった熱心な観客から｢次に観たいベルモンド出演作｣を募る“ベルモンド映画総選挙”を実施、そこから選ばれた『リオの男』『カトマンズの男』『アマゾンの男』『相続人』『エースの中のエース』の5作品を上映するその2弾。5作品全て観ていただきたいが、文字数の関係で『カトマンズの男』をイチオシしたい。 『リオの男』(64)の世界的大ヒットを受け、ベルモンド×ド・ブロカ監督のコンビが確立。香港、インド、ネパール、マレーシアと今度はアジアをまたにかけ、よりスケールの大きな冒険とロマンに挑んだ傑作大活劇。原作は“SFの父”ジュール・ヴァルヌの冒険小説『必死の逃亡者』。ジャッキー・チェンの傑作『プロジェクトA』は本作をベースにしているといっても間違いではないし、『インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』の下敷きになってもいる本作。まさに手に汗握るアクション映画の金字塔的傑作なのだ。 息もつかせぬスピード感とナンセンスな笑いの連続のエンタテインメント巨編。是非この機会にご覧いただきたい。

21/5/2(日)