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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

存在のない子供たち

オープニングから衝撃を食らい、観終わった瞬間から、頭の中に問題定義が生まれた傑作であり、これこそ社会と繋がるエンタテインメント。 最近、日本でも問題になっている幼児虐待。この映画では、暴力ではなく心の虐待も親からの虐待だとして、ひとりの少年が裁判を起こすシーンから始まります。描かれる中東の貧困問題、移民問題には、お金がないから働き手として子供を産み、娘をお金に変えるという考えへの痛烈パンチと共に、どうすればこの問題が解決するのか、全世界に投げかけるように強い声が画として焼きつけられているのです。 レバノン出身のナディーン・ラバキー監督がこだわったのは、なるべく現実に近いフィクション。貧困地域、少年刑務所、拘置所に訪問し、リサーチを重ね、キャスティングには、自分が演じる役の状況下に近い人々を選んでいるのは、リアルな感情から沸き起こる表情や言葉が、多くの人の心を揺さぶると信じたから。その考えは間違っておらず、カンヌ国際映画祭ダブル受賞のみならず、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされるという結果に。 生まれてきた子供に罪はないし、親や社会の都合で、親から引き離されたり、幼いうちに結婚させられることは正しいのか? 親からだけではない、社会からの虐待。これが事実というのも私たちは知らなければならない。

19/7/15(月)

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