ルネサンス期からポスト印象派まで網羅する「西洋美術史の教科書」の如き優れたコレクションを誇る英国ロンドンの中心部トラファルガー広場に面して建つロンドン・ナショナル・ギャラリー（LNG）。200年の歴史の中で他館にまとめて作品の貸し出しを行ったことがないLNGがはじめてまとまった数を出すとあって事前から注目度の俄然高い展覧会です。勿論、61作品すべてが日本初公開となります。レンブラント《34歳の自画像》、アングル《アンジェリカを救うルッジェーロ》、スルバラン 《アンティオキアの聖マルガリータ》、セザンヌ《ロザリオを持つ老女》、それにフェルメールにゴッホ《ひまわり》全61作品のすべてが日本初公開となります。先方から「はい、ではこの61作品ね」とパッケージされた作品群ではなく、日本の学芸員とLNGとで協議を重ねて選んだ日本人向けのまさにオリジナルの構成となっているのが、一番のウリでもあります。夾雑物のない、極上の作品を通してこの春、西洋美術史を学ぶ絶好の好機となります。多くの美術館の手本となっている同館の本物だけが有する美のアウラを思う存分に味わいましょう。

20/6/19(金)