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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

文学座アトリエの会『スリーウインターズ』

9月の文学座アトリエの会には、クロアチア出身の劇作家テーナ・シュティヴィチッチの戯曲が登場します。2014年にイギリス・ナショナルシアターで初演されたこの作品に、演出家の松本祐子さんが強く心惹かれ、今回の日本初演が実現(訳は常田景子さん)。サッカー強豪国、人気の観光地といったイメージのあるクロアチアが、どのような激しい歴史を抱えているのか、人々はそのうねりに翻弄されながら如何に生きたのか。理不尽な出来事が頻発し、不穏な揺れが止まらない今こそ、世界を、時代の変遷を知るべき私たちにジャストな舞台! そんな予感がするわけです。 物語の舞台はクロアチア・ザフレブに住むコス一家。第二次世界大戦後、ローズはナチスの協力者だったブルジョワジーの家を手に入れる。この家はかつて、ローズの母親がメイドとして働き、追い出された家だった……。ユーゴスラビア連邦人民共和国が成立した1945年、ユーゴスラビア分断が決定した1990年、クロアチアがEU加盟条約に調印した2011年、この3つの時代を行き来しながら、コス一家の四世代に渡る女性たちのドラマが展開します。寺田路恵さん、倉野章子さん、南一恵さん、山本郁子さんほか、キャストは骨太ながら繊細な人間ドラマを構築するに申し分ない鉄壁の布陣! 社会の中で、人間はいかに誇りを持って生きるのか。松本さんの熱い思いがアトリエにどのように立ち上がるか、楽しみです!

19/8/28(水)

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