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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
スタートアップ!
20/10/23(金)
シネマート新宿
おかっぱ頭にピンクのシャツを着たマ・ドンソクが満面の笑みをぶつけてくるポスターのキービジュアルの段階で、出落ちして既に決まっている。 といって、そこに甘んじて上っ面の笑いに逃げないところに、この映画の作り手たちの真摯な姿勢を感じるとともに、さすが韓国映画と思わされる。 基本的にはコメディとして物語は進むのたが、青年の成長や家族の再生、それにラブストーリーがウェルメイドに展開され、観終えて心温かい気分になる。 マ・ドンソクの使い方も抜群。マ・ドンソクらしく、結局は最強の男なのだが、その特長を都合よく扱わない。あくまでドラマを盛り上げるスパイスという位置付けで、あえて期待を裏切ってくるクライマックスは特に最高だった。
20/10/24(土)