ベルギーのダンスカンパニー、ピーピング・トムの『ファーザー』を観た時、本当に言葉を失うほどびっくりした。というより、その凄さをどんな言葉で伝えられるのだろうかと思った。 ベルギーを代表するダンスカンパニー、Les Ballets C de la Bの中心メンバーとして活躍してきたガブリエル・カリーソとフランク・シャルティエによって、未知なるダンスの創造を目指して“ピーピング・トム”を結成して丸20年。ダンサー、俳優、オペラ歌手……ジャンルも国籍も、年令すらも多様なアーティストたちが生み出す驚異的なパフォーマンスによる目を疑うようなステージは観る者を迷宮の奥底へと誘い込んでしまう。今回の新作『マザー』の舞台は、惜しまれつつ亡くなった母の葬儀が行われる町外れの古い建物。全く予測不可能な舞台の幕は3月19日に開く。

20/3/3(火)