2014年4月より増改築工事の為休館していた大倉集古館が、およそ5年半の時を経て2019年9月12日にリニューアルオープンを果たしました。記念すべきリニューアルオープン最初の展覧会として選ばれたのは「桃源郷」。中国、六朝時代の詩人・陶淵明（365～427）の『桃花源記』に書かれた理想郷です。西洋の「ユートピア」と混同されてしまいがちですがそれとは似て非なるものです。「桃源郷」のイメージがどのように日本に伝わり、需要され絵画化されていったのかを質の高い作品でコンパクトに紹介している大変興味深い展示内容となっています。展示作品の中でも特に注目すべき作品が、休館中にアメリカのパワーズコレクションから購入した呉春が描いた「桃源郷屏風」です。今回の展示で日本初公開となります。１階展示フロアでは「大倉集古館名品展」と題し、国宝・重要文化財から横山大観「夜桜」まで名品がずらり勢揃いし新しくなった美術館を祝福しています。地下スペースも新たに増床された大倉集古館へこの機会に是非！

19/10/2(水)