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平山 雄一

1953年生まれ 音楽評論家、プロデューサー

中村一義 ワンマンライブ

1997年、アルバム『金字塔』で鮮烈なデビューを飾った中村一義は、独特のスタンスで同世代の支持を受けた。もちろん年下の世代にも大きな影響を与えたのだが、そのひとりが映画監督の安藤桃子だった。この秋、安藤が監修したカルチャーイベント『カーニバル00 in 高知』が開催され、そのゲストにどうしても中村を呼びたいというので、僕が仲介して2人の初対面となった。 その際、『金字塔』収録の『永遠なるもの』に衝撃を受けた安藤は、ツラいときに妹・サクラの手を引いて、中村の聖地・江戸川のほとりを歩いたというエピソードを披露。感激した中村は高知でのパフォーマンスを快諾してくれたのだった。 高知の心臓・ひろめ市場の隣の空き地に設けられた茅葺のステージで、中村は地元のミュージシャンをバックに『永遠なるもの』を歌い、大喝采を浴びた。それをPA席の脇で聴いていた安藤は、涙を浮かべていたのだった。中村の優しくて生命力に溢れた歌は健在だった。とても感動的なシーンだった。 その中村の今年最初で最後のワンマンライブが、中村一義 BAND LIVE 2019『十世界』だ。来年2月5日には中村一義の10枚目となるオリジナルアルバム『十』(じゅう)がリリースされるという。このアルバムはすべての楽器を中村一人で演奏していて、先の“初対面”は『十』をレコーディング中のスタジオのある建物で行なわれたのだった。小編成もいいが、中村のバンドセットは格別なものがある。じっくり味わってみたい。

19/12/14(土)

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