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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座『八月納涼歌舞伎』

江戸時代、真夏は若手が大役や新作に挑戦する季節だった。大物たちや皆避暑や地方へ巡業しているため、留守の小屋で気を吐いたのが若手たち。「どうせ夏は芝居小屋は暑くて商売あがったり。だったら君たち、好きなこと、新しいことやってみていいよ?」という座主の太っ腹な言葉があったのかどうか。『東海道四谷怪談』でおなじみの鶴屋南北と初代尾上松助が組んで、水中早替りなどのケレンたっぷりの新作で大ヒット。これが『天竺徳兵衛』として2か月半のロングランとなった。 初代松助は後に怪談役者と異名をとるように。顔に幾筋もの髪の毛がからまるリアルな幽霊の鬘は、この松助が工夫したという。お岩さんのあのゾッとするような造形も、日本の夏の半端無い暑さのおかげかも。 さて2019年8月の歌舞伎座でも働き盛りの花形や若手役者たちが顔をそろえて大役に挑戦、あるいは新作に挑戦する。 中でも第一部の『伽羅先代萩』。トップオブお家騒動ものの演目だ。中村七之助が女方の大役とされる乳人・政岡をつとめる。奥州の大国・足利家の若い当主である鶴千代君を救うために自ら飯を炊く「飯(まま)炊き」と呼ばれる場面が見どころの一つ。政岡の一子千松に中村勘太郎、鶴千代君に中村長三郎。足利家を陥れようとする仁木弾正を松本幸四郎。 第二部はここ数年夏芝居といえばおなじみの『東海道中膝栗毛』。幸四郎と市川猿之助の息の合った爆笑のロードムービーならぬロード歌舞伎が人気でチケット争奪戦は必至(もう終わってしまっているかもしれない)。 第三部は坂東玉三郎、市川中車、中村七之助で『新版 雪之丞変化』。中車が五役早替りに挑む。

19/8/3(土)

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