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水先案内人のおすすめ

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一度逃したら再び観る機会がないかもしれない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

コンプソンズ『ノーカントリーフォーヤングメン』

昨年夏、『平成三十年のシェイクスピア』という印象的なタイトルの芝居をやっていた彼ら。あいにくその公演には行くことができず、後から噂を耳にして今年の頭に上演された『ぶっ飛ぶ夢をしばらく見ない』を観にいった。 導入とラストが演劇の場だったり、主宰の金子が演じた役がメタ的な存在だったりと面白い仕掛けがあった。しかし大枠としてはそれぞれに気まずい思い出を抱えた大人たちの逡巡を、くだらない笑いをはりめぐらせつつ紡いでいく良作だった。その会場で『平成三十年の~』の上演台本を購入し読んでみたところ、ふんだんな笑いは同じだが、宗教、政治、芸能ネタが入り乱れたかなり「ぶっとんだ」ものだった。題材の選び方にどこか懐かしさを覚えつつ、徹底的なおちょくりに夢中で戯曲を読んだ。 だとすると『ぶっ飛ぶ夢~』は彼らにとって次のステップなのか、それとも気まぐれな寄り道なのか。次回作の方向性はまったく想像がつかないだけに、いま最高に楽しみにしているのだ。

19/6/27(木)

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