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東条 碩夫
音楽評論家
群響創立75周年記念演奏会
20/10/30(金)
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
高崎に本拠を置く群馬交響楽団──かつて今井正監督の映画『ここに泉あり』で日本中に有名になった「群響」。戦後の混乱期の中、いち早く1945年に「高崎市民オーケストラ」として産声を上げたこの楽団も、いまやわが国屈指の存在として首都圏の一角に君臨している。その群響が、「創立75年」を東京と高崎で祝う。 現在のシェフは小林研一郎(ミュージック・アドバイザー)だが、今回は人気抜群の山田和樹が客演指揮するのが面白い。ベルリオーズの「イタリアのハロルド」(ヴィオラのソロは名手・今井信子)、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」という色彩的なプログラムに並び、まさに山田和樹の本領発揮の演奏会と言えるだろう。 東京か高崎か、どちらかでぜひとも聴いておきたいコンサートだが、本拠地での公演は、高崎駅のすぐ近くに昨年竣工したばかりの高崎芸術劇場で開催されるので、このホールを見学するにもちょうどいい機会では?
20/10/24(土)