Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

KCIA 南山の部長たち

『チャンシルさんには福が多いね』に続いて本年2作目の鑑賞となる韓国映画は『KCIA 南山の部長たち』。前者は観る者を幸せにするコメディだったが、本作は観客を戦慄させるポリティカル・サスペンス。『1987、ある闘いの真実』『工作 黒金星と呼ばれた男』に連なる秀作だ。 『KCIA』というタイトルが頭に付かなければ、まるでサラリーマン映画のような響きだが、南山(=ナムサン)はソウル特別市の南に位置する海抜262メートルの山。たびたび政治の舞台となり、朴正煕政権下の中央情報局=通称KCIA(現・国家情報院)はその所在地から南山と通称された。 軍事クーデターで政権を握り、独裁者と批判されるほど絶大な権勢を振るったパク・チョンヒ(朴正煕)大統領。そんな彼が1979年10月、側近だった中央情報部部長キム・ジェギュ(金載圭)に殺害された。権力闘争の果ての凶行か、はたまた独裁政治の横暴に対する義憤に駆られたためか……。 民主主義回復を訴えて処刑されたKCIA部長を、韓国を代表するトップスター、イ・ビョンホンが好演。監督は『インサイダーズ/内部者たち』のウ・ミンホ。コメディ、サスペンス、ホラー、ラヴロマンス、どのジャンルでも韓国映画に死角がないことを証明した必見作だ。

21/1/19(火)

アプリで読む