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水先案内人のおすすめ

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映画と気になることをイラストで紹介!

高松 啓二

1958年生まれ イラストレーター

ファーザー

認知症になるとは、どういうことだろう? 本作は名優を通じてそれを体現させられる。81歳のアンソニーは、娘のアンから介護を受けている。ある日、彼女の様子が徐々に変化し、言っている事も辻褄があわなくなる。アンソニーは戸惑うが・・・。キャストは全部で6人だが、ほぼアンソニー・ホプキンスの一人芝居と言っていい。一見凛とした老紳士で何も問題がなさそうだが、徐々に内壊していくホプキンスの演技に圧倒される。人の認識が混濁していき、自分の居場所でさえ怪しくなる様子が、まるでサスペンスホラーのようだ。特に頻繁に映るドアとシンメトリーの室内が、恐怖を演出する。認知症を扱った映画は、介護側目線が多いが、本作は当事者から描かれるので斬新だ。なんせ本人は何が起こったかわからないからね。誰しも迎える老いを考えさせられた。

21/5/1(土)

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