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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ハッピー・オールド・イヤー

タイから目が離せない才能が誕生。ナワポン・タムロンラタナリット監督が自らプロデュースし、脚本も努めた本作は、人との関わりの中で生まれる行き違いや小さな後悔を、“物を捨てる”行為からその人との関係を見直していく物語。 それぞれの感情を紡いでいく脚本が秀一で、登場人物の感情を通していつの間にか自分と向き合ってしまう映画体験が待ち受けています。『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のチュティモン・ジョンジャルーンスックジン演じる主人公ジーンが、自分が理想とするシンプルな部屋に改造するために実家の中を整理する上で、向き合うことになるのは、おざなりにしてしまった友人との関係だったり、関係を断ち切ってしまった恋人だけではなく、家族が目を背けてきた現実だったりが、映画をワンランク上に見せてくれるのですよ。 “物には思い出が詰まっている”、物に触れた人との思い出や、貰った物ならば相手の気持ちが詰まっているから、簡単に捨てていいのか? それが借り物ならば返した方がいいのか? 胸中の琴線に触れるストーリーは、思いもよらなかったやり残しに気づかせてくれ、心を浄化する作用をもたらしてくれるのです。

20/12/10(木)

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