映画やアニメでおなじみの『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』の原作者アストリッド・リンドグレーンは、スウェーデンのお札になるほどの児童文学者である。彼女は、どのような人生経験を経て作家になったのか？　若きアストリッドは、農家の娘として家族と暮らしていた。自由奔放な性格の彼女は農村の生活に疲弊していたが、父のすすめで新聞社に勤める。そこで文才を発揮し、新たなる生活をはじめるが……。書く喜びを見いだし、ミロの落ち穂拾いのような風景のなかを自転車で疾走するシーンが印象的だ。主演のアルバ・アウグスト、顔は地味だが、才気と大胆な行動のギャップと瑞々しい感性に惹き付けられる。リンドグレーンはこの映画で描かれた時代の後に作家になる。作家になった彼女は世界中の子供達の手紙に目を通す後ろ姿で登場する。ちなみにリンドグレーンは、結婚後の姓である。

19/12/5(木)