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水先案内人のおすすめ

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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

いとみち

ヒロインは、青森の高校に通う16歳の少女、相馬いと(駒井蓮)。幼い頃より祖母から習った津軽三味線を得意とするが、濃厚な津軽訛りのせいで、人見知りがひどく、周囲の空気に溶け込めない。芯は「じょっぱり」(意地っ張り)なんだけど。やがて地元の板柳から青森市内まで電車で通い、メイドカフェで初めてのアルバイトを経験する。一年間に及ぶ特訓の甲斐あって、駒井蓮の三味線の腕前が素晴らしい。彼女が周囲に心をひらいていく成長の物語であり、危機に瀕した店を仲間たちと共に続けようとする連帯の物語であり、そして『竹山ひとり旅』(77) や『夢の祭り』(89)『オーバードライヴ』(04) などの系譜に連なる津軽三味線の映画でもある。青森出身、『ウルトラミラクルラブストーリー』(09) の横浜聡子監督が全編オール青森ロケで撮った産地直送の逸品を味わいたい。

21/6/15(火)

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