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木谷 節子

アートライター

渡辺省亭 -欧米を魅了した花鳥画-

明治から大正時代にかけて活躍した日本画家・渡辺省亭の全貌を紹介する展覧会。知名度的には「渡辺省亭って、誰?」という感じだが、1878(明治11)年のパリ万博を機に渡仏した最初の日本画家、と言ったら印象は変るかもしれない。しかも、「ジャポニスム」に湧くパリで彼が交流したのは、印象派のドガを初めとする、熱狂的な「ジャポニザン(日本美術愛好家)」たち。当時の西欧の人々は、目の前に対象がなくても、柔らかい筆で一瞬にして動植物を生き生きと描く日本人画家の技術の素晴らしさを何度となく賞賛しているが、この時代に、すでに省亭のような人物が現地で席画を披露し、欧米の画家たちに文化的・芸術的な影響を及ぼしていたことを実感した。もちろんその逆もしかりで、ヨーロッパでの生活を送った省亭の日本画は、江戸時代に生まれた人間の作品とは思えないほど近代的。西洋の香り漂うハイブリッドな花鳥画に驚く人は多いに違いない。

21/4/9(金)

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