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「クラシックソムリエ検定」編集長にしてピアノのスペシャリスト
高坂 はる香
音楽ライター
アルセーニ タラセヴィチ=ニコラーエフ ピアノリサイタル2019
19/9/15(日)
東京文化会館 小ホール
1993年モスクワ生まれのアルセーニ・タラセヴィチ=ニコラーエフは、20世紀の名手、タチアナ・二コラーエワの孫にあたるピアニスト。祖母が他界したのは、彼が生後9ヶ月の時だというので、直接指導をうけたことがないのはもちろん対面した記憶もないわけですが、それでも、家族や周囲の音楽家を通じ、常に偉大なる祖母の存在を感じながら育ってきたそうです。 名ピアニストの子孫だからといってすごいとは限らない…かもしれませんが、育つ環境が特別であることは、少なからず音楽性に影響を与えているでしょう。実際彼は、ユニークな音楽性と魅力的な音を持つピアニスト。先に行われたチャイコフスキーコンクールでは、ロシアものを深く重くたっぷり歌って奏で、聴衆を魅了していました。今度の公演では、ショパンのバラード4曲とラフマニノフという、彼のピアニストとしての魅力を隅々まで味わうことのできるプログラムが披露されます。
19/9/1(日)