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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

精緻と克明 鈴木英夫の手腕

『その場所に女ありて』9/23〜24 新文芸坐 「精緻と克明 鈴木英夫の手腕」(9/20〜30)で上映。 『その場所に女ありて』のことを思うと、抑えきれない感情が沸々とたぎってくる。 今さらどうこう言っても始まらないのは承知しているが、感情にブレーキが効かない。それが「1962年度キネマ旬報ベストテン採点表」だ。 1位『私は二歳』、2位『キューポラのある街』、3位『切腹』、4位『破戒』、5位『椿三十郎』。以下『人間』『おとし穴』『秋刀魚の味』『にっぽんのお婆あちゃん』と続くのだが、それはそれでいい。 だが理不尽に思えるのは、採点表に挙げられている49作品の中に、『その場所に女ありて』のタイトルがないことだ。いまも色あせるどころか、作られてから57年も経っているにもかかわらずますます輝きを増しているこの傑作が、なぜ黙殺されたのか……。 筆者は亡き“名作発掘人”田中真澄さんにその素晴らしさを教えていただいたのだが、今でも機会があれば追いかけて観るようにしている。新文芸坐で何年か前、司葉子さんと宝田明さんが壇上でトークした上映会は満席だったが、今回はどうだろうか。 早すぎた“ハードボイルド・ビジネスウーマン・シネマ” 『その場所に女ありて』、今回も何をおいても駆けつけよう。

19/9/21(土)

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