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夏目 深雪
著述・編集業
ある画家の数奇な運命
20/10/2(金)
TOHOシネマズ シャンテ
『17歳のウィーン』など、最近はナチスを扱ってもそれが後景になったものが多い。ナチス映画も沢山作られ、飽きられてきたのかもしれない。この映画が凄いのは、悩める芸術家ものと青春恋愛映画とナチスドイツの暗い影がほぼ同じ存在感で同居していること。 自国の暗部をためらいもなくアートの話に入れエンタメになるように料理したのは『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。ドイツ出身だが、幼少期NY他いろんな国で過ごした「外からの視点」が功を奏しているのかも。今をときめくトム・シリングやパウラ・ベーアの他『帰ってきたヒトラー』でヒトラーを演じたオリヴァー・マスッチなど脇役までゴージャス。
20/9/30(水)