＜世界騒然！　精神崩壊！　《極限》のラビリンス・スリラー＞というウタイ文句に偽りはなかった。 新居を探す若いカップルが不動産屋に紹介された住宅地が脱出不可能な迷宮──という設定で作られた『ビバリウム』は本当によくできたホラー映画だ。手掛けたのはアイルランド・ダブリン生まれの監督ロルカン・フィネガン。ワールドプレミアとなった第72回カンヌ国際映画祭では観客が騒然となり話題沸騰（批評家週間“ギャン・ファンデーション賞受賞）というのも当然と納得できるが、上品でアートっぽい映画と容赦ない展開のバランスが弾力で、どんどん引き込まれていく。 出演は『ソーシャル・ネットワーク』主演のジェシー・アイゼンバーグと『グリーンルーム』などで注目された女優イモージェン・プーツ。脚本・撮影の良さは勿論のこと、音楽と音響デザインも申し分ない。

21/3/9(火)