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高橋 諭治
映画ライター
ピアッシング
19/6/28(金)
シネマカリテ
村上龍原作の恐怖映画といえば、とりわけ海外での評価が極めて高い『オーディション』が有名だが、この三池崇史監督作品の大ファンだという米インディーズの新鋭が新たなサイコスリラーを完成させた。 原作は村上が1994年に発表した同名の長編小説。歪んだ殺人衝動を満たすためホテルに娼婦を呼び出した男が、想像を絶する悪夢のような運命をたどるという物語だ。登場人物はほぼふたりのミニマルな室内劇だが、妖しいムード漂うセット、ミニチュアで撮影された無機質な都市風景がオリジナリティー溢れる世界観を構築。さらにアナログな特殊メイクを駆使したショック演出、戦慄とどす黒い笑いが渾然一体となった人物描写、そして自殺願望を抱く娼婦に扮して驚愕の新境地を見せるミア・ワシコウスカから目が離せない!
19/6/28(金)