心のままに撮られた映画だと思う。ある男が一国の大臣として「権力の椅子」に座り、パワーゲームに翻弄された果てに、もっと大切なものを再発見するまでのお話。 監督のエルダル・シェンゲラヤは、ユーモアと風刺のきいた作風で知られるジョージア映画界の長老で、政治の世界にも身を置いていた85歳。21年ぶりに撮った本作に実体験が投影されていることは想像に難くないが、その筆致は融通無碍。権力を象徴する執務室の椅子は時に飛翔し、時...

18/12/11(火)