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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

添えもの映画百花繚乱 SPパラダイス[2019]

『執念の蛇』(7/3〜7/9) ラピュタ阿佐ヶ谷 特集「添えもの映画百花繚乱SPパラダイス」(5/26〜7/27)で上映 雑誌編集者時代、三隈研次監督の顔写真が必要になったので電話でご本人にお願いしたところ、首に“スポーツ選手の二の腕”くらいの太さの蛇を巻いた写真が郵送されてきて、びっくり仰天したことがある。 三隅研次監督作品『執念の蛇』というタイトルに接すると、まずその衝撃が思い浮かぶ。後に“三隈評価”に貢献した映画評論家の石上三登志さんから「そういう変な趣味がある人なんですよ」とお聞きしたが、どんな趣味だったのかを具体的に聞いておけばよかったと今でも思う。 それはともかく、『執念の蛇』は1958年に大映が製作した添え物(SP)時代劇。三隈研次は前年に『怪猫呪いの壁』という化け猫映画も監督しているので、『座頭市物語』や『斬る』で巨匠監督になる前の習作時代の一本といえる。 『執念の蛇』は主演の毛利郁子が後年、“映画史上初めての殺人を犯した女優の主演作”として語られる映画になってしまった(なにしろディアゴスティーニの『大映特撮映画DVDコレクション』に収められているくらいだから)。だが題材はゲテモノであっても、三隈作品らしく演出もシャープで端正にできた中編映画だ。 毛利郁子は併映の『青蛇風呂』でも、身体に蛇を巻きつけながら熱演している。

19/6/30(日)

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