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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
ボーダーライン:ソマリア・ウォー
19/7/5(金)
シネマート新宿
パッとしない日常を送るジャーナリスト志望の青年が、一念発起して海賊取材のためソマリアへ向かう。危険地帯での取材の様子がテンポよく描かれていく。 だがそれよりなりより、出演自体は短いが、強く印象を残すのがアル・パチーノだ。 主人公を導く伝説のジャーナリスト。最初はそれがアル・パチーノだと気づかないほど老いを前面に出して登場するが、いざ取材の話となると途端に目が輝き出し、切れ味たっぷり仕事論を語り出す。その舌鋒の口跡を聞いていると、やはりアル・パチーノだと思わされる。 最高にチャーミングでユーモラス。そんなお爺さんを見事に演じていた。レジェンド名優の気取らない老け役ぶり、たまらなく素敵だ。
19/7/5(金)