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水先案内人のおすすめ

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一度逃したら再び観る機会がないかもしれない、ちいさな芝居を中心に

釣木 文恵

演劇ライター

【動画配信】錆から出た実

コロナ禍下で、さまざまな「作品を在宅で鑑賞できる」試みが行われている。配信による新作以外に、過去に上演された名作の期間限定配信も多くある。もともと配信を前提としていない芝居は、やはりどうしても生には敵わない、というのは配信側も観客側ももちろんわかったうえで作品を観ていると思う。 そんななかでいくつかの作品を観て、気づいたことがある。 「ダンスは比較的観やすい」ということ。なかでもダンサーが一人で踊る作品はかなりいい。物語を追うなかで、観たい登場人物を、観たい場所を自由に観られないというストレスがないからだ。もちろんこれも生で観るには遠く及ばないのだけれども。 『錆から出た実』は現代美術家の束芋とダンサー、振付家の森下真樹が2012年にスタートさせた作品だ。束芋の映像とダンスが重なり、さまざまな世界の淵を見せてくれる。この、2020年2月に行われたアメリカツアーのようすが期間限定で配信されている。8年という歳月のうちに作品はより洗練され、深みを増している。 そうそう、「ダンス」と書いたけど、今作には「映像芝居」と冠がついている。ダンスや演劇は好きだけど配信はどうしてもちょっとな、という方にこそぜひ観ていただきたい作品だ。

20/5/26(火)

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