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水先案内人のおすすめ

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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

ロボット2.0

人類の暴走を戒めるお話といえば、鉄腕アトムをはじめ漫画や映画で繰り返し描かれてきました。水爆実験で生まれ変わったゴジラを主人公とする一連の作品もそうです。それでもなお作られ続けるのは、科学技術の進展がいつか人間の手にはコントロールできなくなるのではという「恐れ」を多くの人が感じているからだと思います。その点、本作は大事なポイントを突いています。スマホから出る電磁波が鳥の方向感覚を狂わせ大量死させていると訴える老人がいたり、電磁波の影響を小さく見せるために低めのデータを捏造する企業人が現われたりと、まるで現実世界のお話のようにリアルです。スマホを吸い尽くした鳥の怪獣とロボットが死闘を繰り広げる「軽い」映画だと思ったら、人間の生き方を問う意外に「深い」作品でした。

19/10/21(月)

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