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平山 雄一

1953年生まれ 音楽評論家、プロデューサー

HEATWAVE 40th Anniversary Tour 2019

HEATWAVEは結成40周年を迎えて絶好調。1本1本のライブに賭ける集中力と、妥協のないアルバム作りは、日本のバンドシーンで一目も二目も置かれている。 そうしたバンドの姿勢そのままに、40周年の記念としてアルバム『Blink』を制作し、『HEATWAVE 40th Anniversary Tour 2019』に出た。関わりのあったたくさんのミュージシャンをゲストに呼んでのイベント・ライブの話もあったそうだが、頑なにそれを断り、アルバム&ツアーに絞り込むあたりがHEATWAVEらしい。 「40年は一瞬だった」という思いを込めて付けられた“瞬き=Blink”というタイトルが潔い。昨年、ベースがバンドを離れた際も、代わりのベースを入れることなく、山口洋(g&vo)、細海魚(kyd)、池畑潤二(dr)の3人のメンバーでレコーディングとライブを続けてきた。この異例の判断の上でレコーディングされた『Blink』は、極限まで削り、磨かれたサウンドで貫かれている。『Freedom』、『私がこの世から消える日』、『ぜんぶイチからやり直せ』など、曲のタイトルを見るだけでも40周年を迎えたバンドの覚悟が見えてくる。 山口が阪神大震災の時に中川敬と作った『満月の夕』は、東日本大震災の後、たくさんのアーティストにカバーされ、多くの被災者の心を救ってきた。その名曲もHEATWAVEの歴史のひとつだが、それもまた彼らにとっては瞬き=Blinkの一個に過ぎない。“たった今、この一瞬”を至上のものとするバンドHEATWAVEの『40th Anniversary Tour 2019』のファイナルを、目に焼き付けるのも年末らしいチャレンジだろう。

19/12/18(水)

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