Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

真実

「フランス語がまったく分からない」と公言しているのに、是枝裕和監督はどうやってこんなフランス映画らしい味わいの作品を撮ることができたのだろう、とまず驚く。だがよく考えれば、家族がテーマで“女優”が主人公という、是枝監督の勝手知ったる世界だ。乱暴に言えば、樹木希林がカトリーヌ・ドヌーヴに替わったと思えばいい。 大女優である母と、脚本家になったその娘(ジュリエット・ビノシュ)の親子の葛藤が、秋のパリを舞台に描かれる。といっても出てくるのはほぼ撮影所と自宅だけで、観光映画になっていないところも潔い。むしろぐっと心理的なドラマに振っていて、母親が撮影中の作品を生かした“映画内映画”という設定にひねりがある。 さらなるボーナスは、娘の夫役のイーサン・ホーク。中年になったゆるゆるとした魅力が最高にチャーミングで、男性陣からも支持が厚い印象だ。

19/10/11(金)

アプリで読む