ベストセラー作家でありながら、村上春樹作品の映像化は少ない。あの文体は映像にはできない。外国人のほうが文体をすっとばして、ストーリーの骨格だけを掴み取れるのかもしれない。 原作の『納屋を焼く』は、謎が何も解明されないミステリタッチの小説。この映画は、原作の持つ「彼が焼いたという納屋はどこにあるのか」「彼女はなぜ姿を消したのか」という謎のひとつの解釈で、ああそうだったのかと、思わせる。とくに原作の「彼女」が映画ではネコを飼っているので、『ティファニーで朝食を』...

19/1/28(月)