Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

日本・ポーランド国交樹立100周年記念 ポーランドの映画ポスター

映画というのは、その始まりから外国との流通を運命づけられた複製芸術である。輸入するからには、宣伝をして多くの客を集めなければならず、そこで大きな効果を発揮してきたのがポスターだ。しかし自分たちとは違う文化の下で生まれてくる映画を紹介する時には、不思議なバイアスがかかったり、かと思えば案外と冴えたビジュアルが生まれたりする。アメリカへ行って変貌した寿司や、アレンジされてフランスに根づいたアラブ料理のような、文化のねじれ具合が面白い。 ポーランドの映画ポスターが教えてくれるものは大きい。社会主義国は閉鎖的な世の中になりやすいというが、ガラパゴス的状況の中で映画のポスターが本格的なグラフィック・アートになってしまった。そして、一体どんな外国映画が見られていて、それらはどのように宣伝の紙媒体の上で表現されていたのか。個々の例を言うなら、なぜ『日本沈没』なのに横たわった日本女性の顔なのだろう。『コンボイ』なのにトラックの隊列を描かなくていいのだろうか。そんな「制約の中の異常な自由」を思う存分楽しんでいただきたい。

19/12/24(火)

アプリで読む