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パール兄弟、作詞家、プロデューサーとして、音楽を中心に活動中

サエキけんぞう

ミュージシャン

母との約束、250通の手紙

これは驚いた! ロリータとして有名だったセルジュ・ゲンスブールの娘、シャルロット・ゲンスブールが老婆役も含む体当たり演技で、それがとても良い! フランスの文豪ナンバー1的存在のロマン・ギャリーの自伝小説『夜明けの約束』を映画化。ひとくちでいえば、とんでもないマザコン男物語といおうか、凄まじすぎる母親物語。「お前は凄い男にならんと殺す!」といわんがばかりに息子に呪い?をかける。もう、その度がはずれすぎていて。だから映画原作の面白さは申し分ない。 冒頭から、ピエール・ニネ演じる幼いロマンは、母親の詐欺的行動の手伝いさせられたり、南仏で女子とちょっとイイ思いをして母からドヤされたり波瀾万丈。戦前のフランスの街並や海岸や、人々の扮装を良く再現しており、歴史物としての味わいも深い。 その上で第2次世界大戦に突入、どんどん、とんでもない運命が進行していく。実際にそういう人生だったというのだから事実は小説より奇なりなのだが、とにかくお母ちゃんが凄すぎる。 二度目の映画化というが、近来、女性の心理を中心に描く映画が主流になりつつあるので、シャルロット=母親の心理に焦点を当てたたことにより、新しい持ち味が生まれているのだろう。 ロマン・ギャリーは、この映画で描かれた人生の後も、母親のいいつけどおり外交官、映画監督と出世したい邦題。あげくに『勝手にしやがれ』の女優ジーン・セバーグの夫ともなる。そして1980年に拳銃自殺で最期を遂げた怪人なのである。 この愛情の激しさ、激動の情愛、まさにフランスなのです!

20/1/27(月)

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