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日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

ソング・トゥ・ソング

初の長編『地獄の逃避行』(73) と『天国の日々』(78 カンヌ国際映画祭監督賞受賞) の2作を撮った後、テレンス・マリック監督は檜舞台から忽然と姿を消す。フランスに渡って教師をしていたとか、アルコール依存症で廃人同様になったという噂もあり、一時は消息不明だったが、20年ぶりに『シン・レッド・ライン』(98) を発表し、寡作の印象が嘘のように、映画を撮り続けている。 ことに『ツリー・オブ・ライフ』以降は物語性がどんどん希薄になり、独自のカメラワークで映像詩を紡ぎ出している。この新作でも、アメリカで指折りの音楽の街オースティンを舞台に、4人の男女の人生が交差するが、ルーニー・マーラやライアン・ゴスリング、ナタリー・ポートマンら俳優たちの魅力が見事に引き出され、撮影時74歳(現在は77歳)のマリック監督の独壇場といえる佳品になった。

20/12/22(火)

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